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アレルギーのはなし

 

 

アレルギーのはなし

このコーナーでは、アレルギーのことで、なすのがはらクリニックの受診を考えているみなさまに、アレルギーのことをご理解いただきたいと思い解説しているコーナーです。

少しずつ、内容を充実していきますので、お時間のあるとき、ご興味のあるところをご覧ください。

☆アレルギーってなんだろう

アレルギーの話をする前に、「免疫(めんえき)」の話をさせてください。それは、アレルギーは、免疫という仕組みの一つなので、まず、免疫をすこし理解するとわかりやすくなります。

☆免疫のしくみ

例えば、私たちの体に自分と違う生き物が入ってきたらどうなるでしょう。そんなの気持ち悪いし、入り込んだ生き物に勝手に手足を動かされたりしたら嫌ですよね。

そうならないために、私たちの体には、免疫(めんえき)システムという仕組みがあります。この免疫システムは、すべての生き物が持っている仕組みで、ヒトでは、とても高度に進化しています。私たちの免疫システムでは、自分と違う生き物、物質が体の中に入ってくるとまず、これは、自分とは違う物だと認識する仕組みがあります。私たちの皮膚や粘膜の中には、入ってくる物を監視している細胞がたくさんいます。この細胞は、抗原提示細胞とか樹状細胞、ランゲルハンス細胞などと呼ばれる細胞で、細胞は手足を伸ばして皮膚や粘膜の細胞の隙間から入り込んでくる生き物や物質を捕まえています。

☆インフルエンザを例に説明します

例えば、インフルエンザウイルスは、私たちが呼吸をすることで鼻や気管支の粘膜にくっつき、粘膜から体内に侵入しようとします。うまく侵入されてしまうとインフルエンザウイルスは増殖し、細胞を破壊して、発熱、痛みをおこします。侵入する際に、先ほどの抗原提示細胞に見つかり捕まってしまうと抗原提示細胞に食べられてしまいます。ウイルスを食べた抗原提示細胞は、リンパ節に移動してリンパ球という免疫を担う細胞にインフルエンザウイルスの情報を伝えます。情報を受け取ったリンパ球は、さらに別のリンパ球(形質細胞)に情報を伝えて、インフルエンザウイルスに対して攻撃をするIgG、IgM、IgA抗体を作るように命令を出します。これらの抗体がどんどん作り出されてくると、私たちの体の中で、暴れているインフルエンザウイルスをやっつけてくれます。ウイルスが減ってくると、熱がおさまり、痛みが消えてきます。この仕組みを免疫システムと呼んでいます。この抗体が十分できるのに数日かかるので熱が治まるまで数日かかるのです。

このウイルスが侵入したという記憶は、数年から一生涯続くので、はしか(麻しん)などは、一度かかるとほぼ生涯再びかかることはありません。ただし、インフルエンザウイルスは、様々なタイプが存在することと、ウイルスの抗原が進化するため一度かかっても、違うタイプのウイルスにはかかる可能性があります。

☆予防接種は、免疫システムを利用している

私たち人類は、インフルエンザや麻しんなど危険なウイルスにかかりたくないのでこの免疫システムを利用して予防接種を開発しました。予防接種のインフルエンザワクチンの中には、本物のインフルエンザワクチンから一部の成分を抽出した物質が入っています。この成分を私たちの体に予め注射で入れておくと、抗原提示細胞がこの成分を異物として認識して、IgG抗体を作るように命令を出してくれます。そうすると、体の中には、インフルエンザウイルスを攻撃するIgG抗体がたくさんできているので、本物のインフルエンザウイルスが体の中に入ってきても水際でやっつけてくれるので、発熱や痛みを起こすことがなくなるのです。

 

☆アレルギーのしくみ

それでは、アレルギーの場合は、どうなるのでしょうか。アレルギー反応も免疫システムの一つです。私たちの体は、日々様々な生き物、物質(免疫反応をおこさせるこれらを「抗原(こうげん)」と呼び、アレルギー反応をおこす抗原を「アレルゲン」と呼んでいます)と接触をしています。通常の免疫システムは、これら抗原が侵入したときに適切に処理し、再び侵入すると水際で処理する仕組みができるのですが、侵入してきた抗原に対して、アレルギー反応を担当するリンパ球が働いてしまうと、IgE抗体ができてしまいます(これは免疫システムのところで説明した抗体とは異なる抗体です)。たとえば牛乳だと牛乳のタンパク質に対して牛乳特異的IgE抗体(ぎゅうにゅうとくいてきあいじーいーこうたい)ができてしまいます。この抗体ができた状態を「感作(かんさ)」と呼んでいます。牛乳特異的IgE抗体は、血液中を流れ、白血球の一種の好塩基球と皮膚や粘膜に存在するマスト細胞の表面に存在する受容体というパーツにくっつくことができます。皮膚や粘膜から再び牛乳が侵入してくると、牛乳のタンパク質と細胞表面に固着した牛乳特異的IgE抗体が抗原抗体反応で結合し、その信号が細胞内部に伝わると、細胞からヒスタミンが一気に放出されます。放出されたヒスタミンは、血管を広げ、皮膚を赤く見せ、知覚神経を刺激してかゆみをおこします。さらに消化管の筋肉、気管支の筋肉を収縮するため腹痛、ぜん鳴を伴う呼吸困難発作がおこります。全身で広範囲に起こるとアナフィラキシーと呼ばれる重篤な症状になります。この反応は、秒単位で進行していくため「即時型アレルギー反応」と呼ばれます。

☆アレルゲン

アレルギー反応の原因になる物質をアレルゲンと呼びます。ぜん息では、ダニ、ハウスダスト、ネコ、カビが有名です。花粉症では、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、コナラ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどが有名です。食物アレルギーでは、鶏卵白、牛乳、小麦、ピーナツ、エビ、ソバ、イクラなどが有名です。

アレルゲンの多くは、それ自体はアレルギーにならなければ無害な物質が多いようです。例外的には、ハチ毒、ヒアリの毒があります。それ自体毒であると共にアレルゲンにもなることがあります。

アレルゲンの正体は、ほとんどがタンパク質です。鶏卵白の中には、たくさんの種類のタンパク質が含まれていますが、この中でもアレルゲンになりやすいタンパク質が見つかっています。オボムコイド、オボアルブミンがその代表的なアレルゲンです。ダニにもアレルゲンになりやすいタンパク質が見つかっていて、発見された順番に、Der f1から2,3,4・・・と番号を付けています。このような、細かなタンパク質の種類を見ていく事で、アレルゲンの特徴を詳しく知り、より診断効率を高めたり、治療のゴールの設定を行います。食物アレルギーでは、ピーナツアレルギーを疑う場合、ピーナツアレルゲン全部に対するピーナツ特異IgE抗体とピーナツの成分であるAra h2特異的IgE抗体を検査することができます。ピーナツアレルゲン全部に対するピーナツ特異的IgE抗体が陽性であってもピーナツを食べて症状が出ない人が結構います。しかし、Ara h2特異的IgE抗体で調べて、これが陽性だとピーナツ摂取で症状が出る人が多いということがわかってきました。このような診断の方法を、component resolved diagnosis(CRD)と呼んでいます。現在保健適応があるCRDの検査は、牛乳とその成分のカゼイン、アルファラクトアルブミン、ベータラクトグロブリン、卵白とオボムコイド、ピーナツとAra h2、ラテックスとHev b6.02 になります。今後、もっと増える事が期待される検査方法になります。

 

アレルギーの症状

アレルギーの症状が起こるのは、私たちの体の免疫システムによってアレルゲンが認識され「感作」という準備状態ができあがってからです。その後の症状の出方には、大きく分けて3つのパターンがあります。1つめは、アレルゲンと接触して数秒から数分で反応していくタイプで前述のアレルギーのしくみのところで記載した即時型アレルギー反応になります。ほとんどの食物アレルギー、ぜん息の発作、花粉症はこのタイプです。2つめは、アレルゲンと接触してから数時間後からおこるタイプです。即時型アレルギー反応に引き続いておこることが多いようです。食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎、消化管アレルギーがこのタイプです。3つめは、アレルゲンと接触して24時間、48時間頃から症状がおこるタイプで、特異的IgE抗体の関与はなく、リンパ球などの細胞性の免疫システムによっておこるものです。金属アレルギーや、一部の薬剤アレルギーがこのタイプです。

それでは、この3つのタイプのアレルギー症状をもう少し詳しく解説します。

即時型アレルギー症状

アレルゲンと接触して、体の中にそのアレルゲンに対する特異IgE抗体ができてしまうと(この状態が感作です)、特異IgE抗体の一部は、血液中を流れる白血球の一種の好塩基球という細胞の表面あるいは皮膚、粘膜など組織の中にいるマスト細胞の表面にくっつきます。このくっつく仕組みは、細胞の表面にIgE抗体の特定の部分(Fc部分)とくっつく構造(受容体)をたくさん持っていて、血液や組織に流れてきたIgE抗体をくっつけてしまいます。この状態で再び、そのアレルゲンが体内に入ってくると細胞の表面にくっついている2つのIgE抗体がアレルゲン物質によって結びつけられます。その信号は細胞の内部に伝わり、細胞内に蓄えられていたヒスタミンが一気に放出され、細胞膜ではロイコトリエンという物質が作られ放出されていきます。さらに、アレルギー反応に関連するサイトカイン(情報を伝達するタンパク質)であるIL-4、IL-5などが放出されます。この反応が皮膚の小さな部分でおこれば、じんましんがおこり、気管支で起こればぜん息発作、全身でおこればアナフィラキシーとなります。

ヒスタミンやロイコトリエンは、私たちが体内にすでに持っている酵素によって分解をするので、軽い症状であれば、自己収束しますが、処理できる量をこえるヒスタミン、ロイコトリエンが放出されれば、重篤な命にかかわる状態になります。

 

それぞれの症状をもう少し詳しく見てみましょう。

 To be continue

 

 

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